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バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌のまとめ


バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(—たいせいおうしょく—きゅうきん、vancomycin-resistant Staphylococcus aureus, VRSA)とは、抗生物質バンコマイシンに対する薬剤耐性を獲得した黄色ブドウ球菌の意味であるが、実際に分離された株は全てメチシリンなど他の抗生物質に対する耐性も持つMRSAである。

CLSIによるVRSAの定義は、バンコマイシンに対するMIC値が16μg/mL以上であり、4と8μg/mLの株はVISAとなる。この定義は2006年に改変されたものであり、2005年まではバンコマイシンのMIC値が32μg/mL以上をVRSA、16と8μg/mLをVISA (バンコマイシン低度耐性黄色ブドウ球菌)としていた。改変のポイントは、バンコマイシンのMIC値が4μg/mLの株を感受性菌として取り扱っていたことであり、臨床上は効かない株を感性菌として認識していた点である。日本におけるバンコマイシンのMIC値が4μg/mLのMRSAは少なからず存在しており、これらに感染した患者にバンコマシインが投与されていたことになる。。

MRSAまたは通常の黄色ブドウ球菌が、VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)からバンコマイシン耐性遺伝子を接触伝達で取り込んだ結果、バンコマイシンに耐性化した。2002年アメリカペンシルベニアミシガンで各1株、2004年にニューヨークで1株、2005年にミシガンで2株の合計5株が確認されている。どの例も、アメリカのみからの検出であり、MRSAとVREが蔓延しており、両者の接触が可能な場所で発生したと考えられる。

VRSAもMRSAと同じく、通常の抵抗力を持つ健康な人には重篤な症状を起こすことは少ないが、抵抗力の低下した状態では重篤な感染を引き起こし、日和見感染院内感染の原因菌となる。VRSAには、MRSAの治療に使われるバンコマイシンが効果をもたないため、出現以前から大きな脅威とされていた(ただし、最初に分離されたVRSAは、リネゾリド、ミノサイクリン、リファンピンなどの抗菌剤が有効とされている)。


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